Column初めての事務所開設

初めての事務所開設マニュアル｜物件選びから設備導入まで完全ガイド

個人事業主やスタートアップが事務所を開設する際、「何から始めればいいのか分からない」「物件探しで失敗したくない」と不安になる方も多いはずです。この記事では、はじめて事務所を構える方のために、物件探しから設備導入、契約・引越し・レイアウトまで、必要なステップを分かりやすく解説します。

1.事務所を構える目的を明確にする

まずは「なぜ事務所が必要か」を明確にしましょう。以下のような目的が代表的です。

• 自宅と仕事を分けて集中したい
• スタッフを雇用するための作業スペースが必要
• クライアントとの打ち合わせ・来客対応を行いたい
• 法人登記を行いたい

目的によって、選ぶ物件の立地や広さ、設備も変わってきます。

2.物件選びのポイント

物件探しは事務所開設の成否を左右する重要ステップです。以下の点をチェックしましょう。

• 立地：通勤・取引先アクセス・最寄り駅からの距離
• 面積：使用人数に対して十分か（1人あたり2〜3坪が目安）
• 賃料・共益費：固定費として継続可能な範囲か
• 設備：トイレ、エアコン、インターネット回線の有無
• 契約条件：敷金・礼金・保証金、原状回復義務

ワンルームマンション型事務所や、SOHO利用可の物件、または初期費用を抑えたシェアオフィスなど、予算に応じた選択肢を検討しましょう。

3.必要な設備・什器リスト

事務所には最低限、以下のような設備が必要です。

• デスク・チェア
• パソコン・ディスプレイ
• ネット回線（Wi-Fiルーター含む）
• プリンター・複合機
• 電話・FAX（必要であれば）
• 収納棚・キャビネット
• 照明（備え付け以外で手元灯など）
• 来客用テーブル・イス（面談がある場合）

中古オフィス家具やリース活用も、初期費用を抑えるうえで有効な手段です。

4.法人登記・住所利用の確認

物件によっては「法人登記不可」「事務所利用NG」とされているものもあります。
不動産業者や管理会社に、以下の点を必ず確認しましょう。

• 法人登記の可否
• 郵便物の受取・表札掲示の可否
• 事業用途利用が可能か（賃貸契約書への明記）

バーチャルオフィスでは登記は可能でも実務ができない場合があるため注意が必要です。

5.契約・内装・引越しまでの流れ

事務所開設に必要なステップを、順を追って整理しましょう。

1. 目的・条件の整理（予算・広さ・場所）
2. 不動産検索・内見予約
3. 物件決定 → 審査 → 契約
4. 内装・設備導入（LAN・電源工事など）
5. オフィス家具の搬入・レイアウト
6. ネット・電気・水道・住所変更手続き

小規模な事務所であれば、契約から業務開始まで最短2週間〜1ヶ月程度が目安となります。

6.レイアウト設計と導線の工夫

限られたスペースでも快適に業務を行うには、以下の点を意識しましょう。

• デスク間隔は90cm以上確保（通路確保）
• 収納は壁側にまとめてスッキリ
• 来客スペースと業務エリアを分ける
• 照明・コンセントの位置を事前確認

レイアウト図を紙または無料のソフト（例：Floorplanner、IKEAオフィスツール）で作成しておくと搬入時の混乱が防げます。

7.初期費用の目安と節約術

一般的な事務所開設にかかる初期費用は以下の通りです。

• 賃貸契約関連：敷金・礼金・仲介料 → 家賃の4〜6ヶ月分
• 設備・家具：約10〜30万円（規模による）
• インフラ工事：数万円〜（LAN・電源等）

節約のコツ

• 居抜き物件やリノベ済み物件を選ぶ
• 中古オフィス家具を利用する
• シェアオフィスやサテライトオフィスを暫定利用

まとめ｜“働く拠点”としての事務所は「安心・効率・信頼」の基盤

初めての事務所開設は不安も多いですが、しっかりとステップを踏めばスムーズに進められます。
物件選び、設備、レイアウト、契約・手続きの流れを理解しておけば、無駄な出費やトラブルも最小限に抑えることができます。

事務所は、働く場であると同時に、取引先やお客様からの信頼を得る「顔」にもなります。
あなたのビジネスのスタートや拡大に向けて、最適なオフィスづくりを実現してください。